【売約済】ホロヴィッツ・コンサート 1967-1968

①D.スカルラッティ:ソナタ嬰ヘ長調 K.319, L.35
②D.スカルラッティ:ソナタト長調 K.260, L.124
③ハイドン:ピアノ・ソナタ第58番ハ長調 Hob.XVI-48
④ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番イ長調作品101
⑤リスト:スケルツォと行進曲
⑥メンデルスゾーン:練習曲イ短調作品104b-3

ウラディミール・ホロヴィッツ(ピアノ)
録音：1967年10月～1968年12月

20世紀最大のヴィルトゥオーゾで、天才ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツが1967年と68年に行なったリサイタルの録音から選ばれたライヴ盤。全盛期のホロヴィッツの初録音レパートリーが収められ、ソニー復帰を前に本人公認のアルバムとして亡くなる直前の1989年9月にリリースされました。

スカルラッティの最初の静寂な音から間髪「この人だ」とすぐ分かります。ハイドンのプレストに於ける難技には魅了禁じ得ません。長いピアニズムの歴史の中でも取り分け際立った絶妙演が凝縮された一枚でしょう。さらにホロヴィッツの演奏経歴からしたら一見珍しいとも思えるベートーヴェンの作品105はこれまで聞いたどのベートーヴェン専門のピアニストのものより数段心を打たれました。この曲はかなりの技巧力を要求されます。終盤に交錯する激しい転調は揺籃する全聾のベートーヴェンの心の淵を写し、打ち出すもので、文壇鮮烈と隠遁の揺籃を繰り返したホロヴィッツの波瀾万丈な伝説とも重なります。決して好きでもなかったベートーヴェンなのに何故かこの曲だけが彼のリサイタルで忽然登場することには実に大きな意義を感じます。長年温められてきていたに違いありません。必然、紡がれていく音楽は非常に惹かれるものがあります。生で聴けない今日でもまるで生で聴いているかのような錯覚に陥る録音。これがホロヴィッツのライブ録音の大きな特徴です。生々しい観客の息づかいや、演奏が終わるや否やで立ち上ぼる歓声。その全てが彼のライブの「景色」です。静かに聞けるリハーサル演奏よりも客を置いた本割の方が演奏の質が高く、この人らしい音のスピリットがずっと濃く強烈に伝わってきます。

国内盤、帯無し、盤面傷無し

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